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乳がんについてよくある質問と答え

患者さんから、よくある質問について答えをまとめました。

ご来院の際には、不明な点、疑問に思う点は、ご遠慮なくご質問ください。

1)

1) 用語、言葉について

a.

問診とは何ですか?

A

患者さんは身体に様々な不都合があっていらっしゃいます。
患者さんのお話を聞いて、その症状が出るにいたったいきさつ等をよく把握して、 どういう病気が考えられるか等を判断することです。

b.

検査とは何ですか?

A

いろいろな角度から、検査の機械を使って体の一部を把握するためにやることです。
熱を計る、採血、レントゲンを撮る、超音波で診る、胃カメラなど、いろいろな方法があります。

c.

診断とは何ですか?

A

問診や検査をして、患者さんが困っている症状は何が原因になっているか? その原因を突き止める、 または、原因を突き止められなくても、それに近づくということです。

d.

 検診とは何ですか?

A

特に症状がなく、本人は普通の状態にあると自覚しているのですが、何か病気が隠れてるかもしれません。そのような場合に、隠れているかもしれない病気を調べるための検査のことです。

2) 乳がんかもしれないと感じる時、感じた時について

a.

乳がんを発見するきっかけで多いものはなんですか?

A

自分でしこりや、しこりっぽいものに気が付いて、心配になって医者に行き、乳がんだという診断がついて手術になるパターンが多く、およそ8割から9割の間くらいではないかといわれています。

b.

乳がんは自分で気がつくのが多いのは何故でしょうか?

A

乳がんは、体の体表といって、体の表に近いところに出来るものだからです。

胃がんは胃にできるものですが、胃袋は自分で触れないわけです。

しかし、おっぱいは自分で触れるところにあるので自己検診が有効なのです。

c.

自分が乳ガンかもしれないと思ったときに、ひとりで受診するのと、誰かに付き添って来てもらうのはどちらがいいですか?

A

その方次第で、どちらでもいいです。

私の印象ですが、旦那さんに言う前に来る人が多いようです。

旦那さんが見つけて来る人もいますし、旦那さんに相談してからいらっしゃる人もたくさんいます。

少しでも気持ちが楽になる、お好きな形で来ていただければよいと思います。

2)

3) 自己検診、乳がん検診について

a.

乳がん検診は具体的には何をするのですか?

A

大きくわけて、以下の2つを行います。

(1)自己検診のやり方などを覚えていただき、自己検診の重要性を理解していただく

(2)マンモグラフィ、超音波、視触診の3つの検査を行う

b.

先生の検診を受けましたが、自己検診をしなくなってしまいました。

また検診をしていただきたいと思い直しましたが行きにくい感じがします。

A

「三日坊主で自己検診をしなくなってしまいました」と恥ずかしそうに来られる方は少なくありません。

私は何とも思いませんし、また自己検診をしようと思って頂いたお気持ちを尊重します。

c.

自己検診(自分で触る)だけではダメなのですか?

A

触るだけではわからないものが、超音波やマンモグラフィなどでわかる、わかったというのはたくさんあることです。

超音波やマンモグラフィをやる目的は2つあります。

○触ってわからないものを見つけてもらうもう1つがとても重要です。

○何の問題もなさそうだというおっぱいの状態を確認すること

それで安心するだけではなく、自分で自分のおっぱいの乳腺を触って、丸ごと基本形としてを覚えてもらって、自分で検診するときの比較材料にしてもらいたいということです。

「触るだけの検査よりも、より精度の高い機械を使って調べたうえでのおっぱいの状態を基本形として覚えてもらいたい」というのが基本的な考え方です。

d.

超音波、マンモグラフィを使っての検診と、自己検診との組み合わせのサイクルはどう考えればよいですか?

A

理想的には、最低 年に1度は超音波、マンモグラフィを使っての検診を受けていただいて、あとは毎月1回、決まった日に自己検診(自分で触る)をしていただきたいと考えています。

e.

自己検診は毎日のようにやったほうがよいのですか?

A

毎日触っていると変化に気がつかなくなります。

何の問題もなさそうだというおっぱいの状態と比較して異常がないかを調べるわけですから、月に1度くらいがよいと思われます。

3)

4) 乳がん、乳がんの治療について

a.

親族に乳ガンの人がいると、自分も乳がんにかかりやすいというのはあるのですか?

A

親姉妹あたりに乳ガンの方がいらっしゃる場合は、いない方と比較して約3倍可能性があるといわれています。

b.

乳がんが再発する可能性はどれくらいなのでしょうか?

A

ご自身が1度乳がんになった方は、もうひとつ別の乳ガンが出来る危険性というのは、乳がんになったことがない方の約6倍 高いといわれています。

c.

家族の誰かが乳がんになったとき、夫や家族は何してあげられるのでしょうか?

A

ご家族にはとにかく力になってくださいとお願いしたいです。

一緒に病気と闘う仲間ですね。戦友といってもいいかもしれません。

仲間として一緒に病気と闘っていくとういスタンスをもってやってもらいたいと思います。そうすれば、いろんな支え方が出来ると思います。

それから、私が患者さんにガンの告知をするときは、必ず次のようなことをお話します。

「乳ガンという病気になってしまったんだけれど、これはこれから長いことこの病気と闘っていくということで、敵は病気だけで、あとはみんな味方なのです。」

そのいちばんの戦友は家族であり、友人であり、そういう人たちが戦友になってくれることと、バックアップしてくれること、支えてくれることというのが大事です。

それで、我々医療関係者というのは参謀(知恵袋的なもの)という立場だと思います。

当クリニックでは、ご本人、ご家族、私たちのの3者がスクラムを組んで病気と闘っていく。そういう気持ちになっていただけることに気をつけて時間をかけています。そうすると「じゃ、前向きにがんばろう!」という気持ちになってくれる人が多いという確かな感触があります。

d.

おっぱいのない男性に理解しずらいものがあります。どのように考えたらよいのですか?

A

旦那さんは、とにかく奥さんには元気で長生きして欲しいという気持ちが強いものですから、美容的なことは二の次だという方もいらっしゃいます。

極端な例では、(命と比べたら)おっぱいは、どうでもいいという考え方で、とにかくしっかりと取ってもらうという考えの方もいらっしゃいます。

それだけ奥さんを愛していて、徹底的にやっていただきたいと思うのが旦那さんに多いという印象はあります。ただし、客観的に見て、ごくわずかの危険性ですけども、ほとんど差がないと言われていれば、自分の心のよりどころとしてのおっぱいは残したいという気持ちが強ければ、それを尊重してあげるというご主人もいらっしゃいます。

男性にはなかなか理解できないことはありますが、患者である女性の声をしっかりと聞いてあげる存在でいてほしいと思います。

4)

5) セカンドオピニオンについて

a.

もし私が先生のところに通っている患者だったとしたら、セカンドオピニオンを受けるためにカルテなどの情報を開示してくれますか?

A

もちろん開示します。気軽に相談をして下さい。

セカンドオピニオンのことを言い出した後に、継続して治療を受けるのは気まずくなるんじゃないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私としては気になさらないでくださいと思っています。

b.

私はある病院で乳がんといわれました。先生のところへ相談だけにうかがってかまわないのでしょうか?

A

もちろん、かまいません。実際にそういう方もお見えになります。

5)

6) クリニックの考え方について

a.

なぜ、乳がん検診に力を入れているのですか?

A

学会ではさまざまな治療ことやお薬の話しがでています。多くの方々の努力によって、命が助かる方が増えてきたのです。

また、私自信も外科医として、乳がんの治療、手術をたくさんしてきました。今も進行がんで苦しむ人の治療、手術などのお手伝いをさせていただいています。

手術や治療が進化するというのは、とても大切で必要なことです。

その一方で、実際に目の前に来る人というのは、大きいしこりに気が付いた時点で、慌てて病院に来るというのが現実にあります。

その現実を見ていたら、自己検診さえしてればもっと小さいときに気が付いたのにと思うのです。その小さいときに気が付けば、後で再発する危険性というものが小さくなるのんだろう。と思います。乳がんは自己検診により早期に気がつくことができる病気です。

自己検診がもっと広まって、なるべく小さいうちに見つけるためにどうすればいいんだと考えていたのが、このようなクリニックを開設するきっかけになりました。

ピンクリボン運動などがありますが、当クリニックも自己検診の啓蒙のお手伝いをさせていただいて、結果的に、進行がんで苦しむ方が減っていただければよいと思うのです。

b.

岡本外科クリニックに乳がんを診てもらっても、治療は別なところでやるのはかまわない。という先生の考え方はどこからきているものですか?

A

患者さんは何でも選んで決めることができると思うからです。

ご自分の受ける治療をどこで誰に、どういう形でやるかということは、患者さんが納得してやらなければ駄目だと思います。

もちろん、私たちもしっかりと説明はして疑問がないように心がけていますが、最終的な決定は患者さんの考えを尊重します。

例えば、ある方がある病院で早く手術したほうがいいからここで手術しなさいよというような言い方をされると、もうそれしか選択肢がないと思ってしまいませんでしょうか?

もちろん緊急なときはあるのでしょうが、選択肢があるのに、それを閉ざすようなことはできません。

セカンドオピニオンにしても、患者さんなりに意味があるからそうしているわけで、納得されるまで意見を聞いた方がよいと思います。

6)
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